【環境整備編】
・五感を使う工夫(カラー化、太字、入力時拡大、読み上げ、指差し呼称等)
・照明を明るく(視認性を高めるには、明るさも大いに関わっている)
・死角がないよう工夫(構造上死角ができているとミスが出やすい)
〈作業スペースの大事さ(仕事の早さにも関係)〉
・机を広くし、分類置き場を作ったり(今時サブ机も安く有る)、机がない場合でもブルーシートを敷き、そこに整列するなどすれば、分かりやすく、物を探す手間もなくなる。
・キーボードの上に、ガラス製の机上台などといったツールも有る(2階建ての発想)。これだと上にペンや飲み物を置いたり(こぼれても大丈夫)資料を見ながら打つ事も可能。
・同様に、モニタなら可能な限り、デュアル以上(2面)にし(今モニタも三千円位から入手可能)入力物と見るものが干渉しないようにする。仮にモニタが手近にない場合でも、画面を印刷したり、タブレットで表示するなどすれば、同様の効果が得られる。
・本や書類(ペンケースも)は立てるようにする。寝かせると場所を取るし、モニタと行ったり来たりでロス(特に入力時)になるし、視点が動いてミスが出やすい。
【チェック編】
〈事前チェック〉
・事前によく間違えるパターンを収集し、チェック表にまとめておく(例:サンキュー事故、交差点で事故多発 等)。
パターンがわかれば、事前に留意でき、場合によってはそのパターン前にアラームを鳴らすとか、その場所に大きく注意書きをしておくとか、格段にミスを防ぎやすくできる。傍らにチェック表を置いて、チェック付けながら抜け漏れを無くすといった手段も取れれば安心である。
〈まとめてチェック〉
・「仕事を早くするには」の項でも述べているが、作業はまとめてした方が効率的である事が多い。たとえば作業の度に、一回一回強度に確認すれば集中力も疲弊するし、何よりスピードが下がる。リズムや乗りといったものも出てこない。それよりも軽く確認しながら作業を行い、チェック作業はチェック表などを併せ、最後にじっくりした方が効率的である。
・視点を定める意味で、わざと指を当ててチェックしたり、カラーの定規を文字の下に当てながらチェックも良い。
・建設現場の看板にもある「指差し呼称」というよく知られた習慣が有る。これはした事を、言うこと、聞くこと、腕と指の触覚を使いポイントをしめす(集中させる)こと、それを見る事、周囲にも繰返し周知し連携する、などによりミスを効果的に防ぐとされる方法である。実際声は出せなくても、このような方法は応用できる。
【フィジカル(体調)編】
・私の経験からも、ミスは、睡眠不足と相関関係が深いと思う。
私の周囲で、よくミスする人は不真面目というより、逆に真面目過ぎて、あんまり寝てない、という事が多かったように思う。
実際、日本人は勤勉で真面目な人が多い為か、睡眠時間が世界一少ないというデータもある。
私が過去、横になれる部屋が有る職場で、昼に30分寝るのを習慣にしていた時期が有ったが、確かに午後は頭も冴え、不思議とミスが少なかった事を覚えている。
〈注目される昼寝の効果〉
・ミスの為だけでなく、創造力や効率の面からも昼寝を推奨する世界的な企業が増えている。Google、Apple、Amazon、NIKE、Microsoftと言った世界をリードするそうそうたる企業で社内に仮眠スペースや仮眠カプセルを設けるなどして、昼寝を推奨している。
またNASAではパイロットを「パワーナップ(昼寝)をとる/とらない」という二群に分けた実験を実施。結果、「作業能力と覚醒状態に有意な差が見られた」という研究結果を報告している。パワーナップの認知度は高く、アメリカ海軍でも一日のスケジュールの中にパワーナップをとる時間が設けられているそうだ。ヨーロッパでもシエスタを習慣にしている国は多い。
睡眠不足になりがちな日本人は、昼寝(パワーナップ)を取り入れるようにしてみてはどうだろう。私個人はここ何年かは、昼休憩にたとえ10分程度でも仮眠をするようにしている。
【ソフトや記憶媒体の利用】
・可能な限り、ソフトを導入するなどしてミスをなくせないか
例:自動化ソフト(RPA)の積極的利用。Officeソフトのマクロ利用など。
・写真や動画の積極的な利用。
人間の記憶は曖昧なもので、誰もが瞬時に納得するのは、やはりこまめな記録である(今ドライブレコーダなどもこういった流れで増えている)。
実際の仕事でも、例えば、来た時の状態(物の配置、配線、ランプ状況等)をきちんと写真や動画に撮っておけば、変調時、いつから、どんな変化が起こったか分かり、確実にミスを減らせる。また作業後、復元時も、ミス無く早い。
【チームで対応】
・結論から言うと、ミスは1人でも対処できる場合も多いが、ミスを起こしたくない程、人数(と回数)を掛ける事が一番の策と思う。
〈体調面から〉
・人は用事が詰まっていたり、飲み会の後だとか、どうしても体調の優れない時が有る。そういう時にチームであれば、他の誰かでカバーができる。
〈精神面から〉
・1人にすると責任が1人に集中し過ぎて、本人が滅入ってしまう。
誰もがミスなどしたくはないのだ。なのに、なぜミスした、なぜミスした、とあまりに無神経に責め続ける人も居たりする。しかしミスは短絡的に精神や根性といったことばかりに起因するものではない。システムの改善で十分に対応できる場合が多い。真面目な人ほど、こういう指摘を真に受けすぎるというのか、落ち込み、うつ病になるのも見てきた。
・それに、少しリラックスしていた方が、点ではなく面(図、パターン認識)となって捉えられる為、効率も高まって、ミスも少なくなる。
・またミスにあまりに重々しい雰囲気の会社では、ミスに気付いても怒られる事を想定し、言わないまま放置され、後で問題になることも。また、言えば案外融通が効くものなのに、否定されたり、評価が下がる事を恐れて言わない、などという事が起こり、職場の改善、効率的にミスを無くせるシステムの改善が大幅に遅れたりもする。
〈思い込み、固定観念への対処という面からも〉
・1人だと思い込み、固定観念の壁が破れない事が有る。最初から違う視点の複数人チームでチェックした方が早く効率的である。
・ミスを無くしたい仕事で有れば有るほど、精神論や根性論で1人に過度に責任を背負わせるのではなく、チームでチェックを掛けるシステムが有ると安心である。それに、チェック程度にさほど時間も掛からない為、ミスを無くす方策としては優秀と思う。
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